村の人々は困窮していました。先人からの教えを忘れ、自らの生き方を見失っていました。かつてこの村に突然現れ、戦士たちの命をいとも簡単に奪ってしまった大男の言い伝えも、すっかりと忘れていました。
その村のある若い男は、毎日のようにギャンブルに興じていました。やがて持ち金をすべて使い果たし、家も失い、家族も、妻さえ失ってしまいました。
悲しみに打ちひしがれた若い男は、森へと歩んで行きます。いくつもの山を越え、さらにもう一つ山を超え、ジグザグの山道を何日も歩き続け、ついに大草原の中にポツンとある家を見つけました。
若い男は扉に空いた小さな穴からそっと覗き込むと、大男が背中を向けて座っているのが見えました。
果たしてその大男の正体は…?
祈りの大切さ、食の大切さ、古代より受け疲れた知恵と叡智の大切さを伝える、2019年の巡礼の旅のためにボブが日本各地で語った神話です。