Tag Archives: ソングライン

アボリジニが歌うまで世界は存在しなかった~ブルース・チャトウィンの『ソングライン』でマンツーマン英会話

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原書『The Songlines』(ソングライン、ブルース・チャトウィン著)を読みながら、カーラ先生のレッスンを受けています。

何度かこの箇所を、読み直しました。

なぜなら、ここにアボリジニにとっての「音楽」、そして「ソングライン」の意味が記されていると感じたからです。

Aborignals could not believe the country existed until they could see and sing it – just as, in the dreamtime, the country had not existed until the Ancestros sang it.

アボリジニ達は、彼らがそれを見て、歌うまで、その世界が存在しているとは考えない。

ちょうど、世界がまだ彼らの夢の中にだけあったころ、先人達がそれを歌うまで、この世界は実在しなかったように。

『The Songlines』(14ページ)

そして今日、『地球交響曲第六番』の予告篇をナレーションを聴いて驚きました。

最近のめざましい科学の進歩によって、ミクロの原子から大銀河まで、この宇宙の全ての存在は、それぞれに独自の“音楽”を奏でていることが分かってきました。

  「人間が音楽をつくる以前に、“音楽”が人間をつくった」

という宇宙物理学者もいます。

『地球交響曲第六番』予告篇より

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この宇宙物理学者は、まさに、アボリジニの『ソングライン』伝説とまったく同じことを言っているのではないでしょうか。

 (*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年7月 6日より転載

アルビン・ラズロー博士の言葉に重なってゆく~原書『SONGLINE』(ブルース・チャトウィン)を読みながらマンツーマン英会話

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原書『The Songlines』(ソングライン、ブルース・チャトウィン著)を読みながら、カーラ先生のレッスンを受けています。

He went on to explain how each totemic ancestor, while travelling through the country, was thought to have scattered a trail on words and musical notes along the line of his footprints, and how these Dreaming-tracks lay over the land as ‘ways of communications between the most far-flung tribes.

‘A song’, he said, ‘was both map and direction-finder. Providing you knew the song, you could always find your way across country

アルカディは説明を続けた。アボリジニの先人は国中を旅しながら、彼が歩いた跡には言葉と音符を残していったこと、そして、この「ソングライン」は遠く離れた別の種族たちと連絡を取り合うための手段として、現在もこの大地に張り巡らされていることを。

「歌は地図であり、方向探知機でもあったんだ。もし君がこれらの歌を知っていれば、いつでも君は、この国中の道程がわかるのかもしれないね」

『ソングライン』13ページより

 A Song was both map and direction-finder.

遥か昔、先人達がオーストラリアのいたるところに残していってくれたもの。
目には見えないけれども、その歌にアクセスすることができれば…

「ソングライン」は、『地球交響曲第五番』のアルビン・ラズロー博士の「宇宙は記憶を持っている」という考えと、同じことを言っているのではと思いました。

The universe has memories.

一度生まれた情報は量子エネルギー場に痕跡を残し決して消え去らない。
過去に起こった全ての出来事は、今、現在もここにありその痕跡にアクセスする方法さえ知っていれば現在に甦らせることができる。過去は今も生きている、ということでです。

アルビン・ラズロー『地球交響曲第五番』より

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アルビン・ラズロー博士

オーストラリアの先住民の神話が、ハンガリーの物理学者の理論に重なってくのを感じながら、久々に熱い読書の日々を送っています。

ますます『ソングライン』にはまっています。(^-^)

 (*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年5月 8日より転載

アボリジニのドリームタイムと旧約聖書の『創世記』~ブルース・チャットウィンのソングラインでマンツーマン英会話

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91avob6NC+L._SL1500_ 原書『The Songlines』(ソングライン、ブルース・チャトウィン著)を読みながら、カーラ先生のレッスンを受けています。

 『ソングライン』の次の部分を読んだ時、どうしても『創世記(旧約聖書)』と『古事記』を読み直して、比べてみたくなりました。

 アルカディがブルースに、「ドリームタイム」について、説明しようとしている部分です。

 『The Songlines』の12ページです。

 To get to grips with the concept of the Dreamtime, he said, you had to understand it as an Aboriginal equivalent of the first two chapters of Genesis – with one significant difference.

 In Gensis, God First created the the ‘living things’ and then fashioned Father Adam from clay. Here in Australia, the Ancestors created themselves from clay, hundreds and thousands of them, one for each totemic spices.

 ’So when an Aboriginal tells you, “I have a Wallaby Dreaming,” he means, “My totem is Wallaby. Iam a member of the Wallaby Clan”‘

 「ドリームタイム」の概念を理解するためには、旧約聖書の『創世記』の最初の二つの章に相当する部分がアボリジニにもあって、そこには一つ重要な違いがあるんだ、ということを知っておかないといけないんだ。

 『創世記』では、主が最初に生き物を創造し、泥から最初の人間、アダムを作った。

 オーストラリアでは、先人達が泥から自分自身を作った。何百も何千もの仲間を一度にだ。そして、その一つずつが別々の種族だった。

 アボリジニが君に「僕にはワラビー・ドリーミングがある」と言ったとする。それは、「僕の家系はワラビー」、「僕はワラビー族に属している」と言う意味なんだ。

 『ソングライン』(12ページより)

 アボリジニの社会には上下関係というものはなく、全ての人々が平等だと教えてもらったことを思い出しました。

 それは、アボリジニの先人達は、たくさんの種族が同時に生まれたということに関係しているのかな。

 旧約聖書では、最初にアダムが生まれ、古事記ではアメノミナカヌシが最初に登場する。

 アボリジニは、誰が一番、何族が二番といような順位が無いようですね。みんな、一緒に生まれた。だから、平等。上も下もない。先も後も無い。ただ、種族が違うだけ。

 そう言うことかな。

(*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年5月 4日より転載

アボリジニの哲学~地球から採取しすぎたその代償は、数々の戦争で流された人々の血~ブルース・チャトウィンのソングラインでマンツーマン英会話

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buddah 英会話プライベートレッスンの先生、カーラさんの自宅の玄関には、タイの友達からもらったという大きなブッダの置物があります。

 「ブッダがこの家を守ってくれているような感じがしますね。」

と言ったら、とても喜んでくれました。

 レッスンは早いもので今日で4回目。スピードも、だんだんと速くなってきました。今日は『ソングライン』の8ページから13ページまで。

 ブルースがアルカディと初めてあった日、アルカディは、アボリジニについて、ドリームタイムについて、そして、ソングラインについて、早口で話し続けます。

「The Aboriginals had an earthbound philosophy. The earth gave life o a man; gave him his food, language and intelligence; and the earth took him back when he died. 

The Aboriginals, he went on, were a people who trod lightly over the earth; and the less they took form the earth, the less they had to give in return. They had never understood why the missionaries forbade their innocent sacrifices. They wished to thanks the for its gifts, they would simple slit a vein in their forearms and let their own blood spatter the ground.

‘Not a heavy price to pay,’ he said. “The wars of the twentieth century are the price for having taken too much.”

 アボリジニは、逃れることの出来ない、地球との高密な係わり合いの中で生きて行くという哲学を持っているんだ。

 地球は人間に命を与えてくれた。つまり、人間に食物を与え、言葉と智恵を授けてくれた。だから、人間が死んだ時には、今度は地球が彼を取り返そうとするんだ。

 アボリジニは地球ととても巧みな係わりあい方をしている。それは、彼らが、地球から採取する量が少なければ少ないほど、彼らが地球に返さなければならない量が少なくてすむ、というもの。

 自分たちのささやかな犠牲的行為が、なぜキリストの伝道師に咎められるのか、彼らには少しも理解できなかった。彼らは動物や人間を生贄として捧げたりするようなことはしない。その代わり、彼らが地球からの恵みに感謝したいと思う時には、自らの手首を切り、その血を地面に撒くんだ。

 こんなのたいした代償じゃない…、地球から採取しすぎてしまったその代償として、20世紀に起きた数々の戦争で人々の血がながされたことに比べたら

The Songlines』11ページより

 最後の部分の表現、ちょっと強烈ですね。

 頭の中に、大地に流された赤い血を、マグマの奥深く吸い込もうとする地球の姿が浮かびました。

(*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年5月 3日より転載

ブルース・チャトウィンの『SONGLINE』(ソングライン)でマンツーマン英会話~チャトウィン(Chatwin)の語源は「曲がりくねった道」

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51BxJ2tonWL._SX311_BO1,204,203,200_ 『The songlines』の著者、ブルース・チャットウイン(Bruce Chatwin)は子供の頃、自分の苗字はアングロサクソン語で、 ”曲がりくねった道”(=Chettewynde)という意味だったということを、大おばのルスおばさんからから教えられます。

 ブルースはそれまで、ルスおばさんからたくさんの詩、特に”旅の詩”を読んでもらっていました。また、実際に、おばさんに連れられ、夏の間中アイルランドの隅々まで旅していたブルースは、「自分の名前」と「詩」、そして「道」には何か不思議な繋がりがあるに違いない、と思うようになります。

 そう言えば、僕も子供の頃、父に自分の名前(浩文)の由来を尋ねた事があります。

 「”浩”は、浩宮さまが生まれたとしだから”浩”」(父)

 「”文”は…、お父さんは俳句を詠むのが好きだからなあ…。だから”文”にしたんだ」(父)

 同学年に”浩”とつく名前の子がやたらと多いことをちょっと不服に思いながらも、 “文”と付けてくれたことに、将来自分が何か”文”を書くことに関わって行く事ができるのではないだろうかと感じ、少し嬉しい気持ちになったことを覚えています。

※筆者青木浩文、TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年4月29日より転載

ドリームタイムとは~原書『The Songlines』(ブルース・チャトウィンのソングライン)でマンツーマン英会話

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51DubK8ExhL._SX320_BO1,204,203,200_ ブルース・チャトウィンの『ソングライン』を原書でよみながら、カーラ先生のレッスンを受けています。

 『ソングライン』の最初の登場人物、そしてブルース・チャットウインと共にオーストラリアを旅し、彼とアボリジニの掛け橋(?)となってゆくのは、アルカディという33歳のロシア系オーストラリア人。舞台はアリススプリング。

 アルカディは教師時代に知ったアボリジニの神話に心を打ち抜かれて以来、アボリジニから見聞きしたこと全てを精力的に書き留め、学びます。

 やがて彼らの言葉を話す様になり、アボリジニからの信頼を得て行きます。

 It was during his time as a school-teacher that Arkady learned of the labyrinth of invisible pathways which meander all over Australia and are known to Europeans as ‘Dreaming-tracks‘ or ‘Songlines‘; to the Aboriginals as the ‘Footprints of the Ancetors’ or the ‘Way of the Law’

 Aboriginal Creation myths tell of the legendary totemic beings who had wandered over the continent in the Dreamtime, singing out the name of everything that crossed their path – birds, animals, plants, rocks, waterholes – and so singing the world into existence.

 オーストラリアには、目はに見えない複数の道が迷路の様に張り巡らされている。

 西欧人は、それを「ドリーミング・トラック」、または「ソングライン」と呼び、アボリジニは「先人達の足跡」、そして「破ってはいけない約束事を刻んだ道」と呼んでいる。

 アボリジニの神話はこう語っている。

 先人達は、この宇宙がまだ彼らの夢の中でしか存在していなかった時代に、大地を歩き続け、その途中で出会ったすべての物たちの名前を歌にして力を込めて歌った。

 鳥、動物、木、岩、池…

 歌はこの世界に、実際の姿と形、そして命を与えていった。

『ソングライン』(The Songlines 2pageより)

アルカディの現在の仕事はアボリジナル土地権利法(The Land Right Act)のもと、本来の土地所有者がだれであったを調査して行くこと。

ところで、この”Dreamtime“を日本語訳するのは難しいですね。(^^;

本によっては「夢見(ゆめみ)の時代」と訳したり、そのまま「ドリーム・タイム」だったりするけど、ぴんとこない、ウィキペディアの説明を読んでも、深すぎてまだ言葉に置き換えられないなあ。

ということで、まずは直感的にこんな言葉に置き換えてみました。

Dreamtime

 ━━ この宇宙がまだ先人達の夢の中でしか存在していなかった時代

きっと、『ソングライン』を読み進める過程で、この訳が微妙に変わってゆく行くのかもしれませんね。

(*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年4月27日より転載

ブルース・チャトウィンのソングラインでマンツーマン英会話~モレスキンという手帳

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‘Do you mind if I use my notebook?’
「ノートを取ってもいいかい?」(ブルース)

‘Go ahead’
「もちろん。」(アルカディ)

I pulled from my pocket a black, oilcloth-covered notebook, its pages held in place with an elastic band
僕はポケットから黒いノートを取り出した。オイルクロスの表紙、留め具用にゴムバンドがついている。

‘Nice notebook’
「いいノートだね」

‘I used to get them in Paris,’ ‘But now they don’t make them any more’
「パリでよく買たんだ。でも、もう製造中止なんだよ。」

The Songlines』12pより

moleskine 著者のブルース・チャットウインが、主人公のアルカディに初めてあった日、アボリジニのソングラインについて語り始めるシーンです。

 このオイルクロスの表紙にゴムバンドのノート。

 彼が使っていたノートは、知人も愛用しているモレスキン(MOLESKINE)だということを知りました。

 このモレスキン、200年もの歴史あるフランスのノートブランドだそうで、画家のゴッホやマティス、作家のヘミングウエイ、そして、ブルース・チャットウイン等が愛用していたとのこと。ところが1986年に廃業。8年前にイタリア・ミラノの出版社が復活させました。

 「有名な画家の作品のスケッチや、人気作家の小説になる前の走り書きは、まずは、このモレスキンのノートに書き溜められてていったのです」なんていうモレスキンの宣伝文句に思わずふらふらっときてしまって、今日一冊買ってしまいました。(^^;

 最初のページを開くと、こんなフォームが用意されています。

In case of loss, please return to
__________________________________
__________________________________
__________________________________
As a reward $_____________________

 ブルースはオーストラリアの旅の前にこのノートを大量に買い集め、携帯していました。世界中を放浪していた彼は、この部分には住所を二つ(二ヶ国)記載して、謝礼・報酬金についてもちゃんと明記していたそうです。

「パスポートを紛失することは別になんてことはなかったけれど、自分のノートを失くすというのは破滅を意味していた」(ブルース・チャットウイン)

To lose a passport was the least of one’s worries: to lose a notebook was a catastrophe.

The Songlines』の中には、そのノートに書き綴られたメモの内容が、60ページにも渡って紹介されています。

https://youtu.be/DqNhlN1FGOk

(*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年4月24日より転載

原書『SONGLINE』(ブルース・チャトウィンのソングライン)で英会話マンツーマンレッスン~「ブルース・チャトウィンと書物の旅」

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51YhPhfrl8L._SX358_BO1,204,203,200_ ブルース・チャトウインのことを知ったのは、一年前。冒険家の石川直樹さんがJ-Waveの企画でオーストラリアを旅し、帰国報告会のようなイベントをされていました。そのイベントのタイトルが、「ブルース・チャトウィンと書物の旅」でした。

 イベントの告知のサイトを読みながら、なぜかブルース・チャットウインの遺作となった『ソングライン』という本のタイトルがとても気になったのです。翻訳本を買おうとしましたが既に絶版。古本屋でも手に入りそうにありません。オーストラリア大使館のライブラリーにはありそうですが…。(*)

 ということで、原書『The Songlines』を読むことにしました。ブルースの言葉のままに、彼が旅したオーストラリアを辿ります。

 さて、そもそも、この”ソングライン”とはどんな意味なのでしょう。

 この疑問そのものが、この本のテーマであり、そして、ブルースのオーストラリアの旅の目的であったようです。

 数日徹夜が続きましたが、Movable Typeでのブログの設定もやっと終わり、ひとまず僕の(書物の)旅の準備も整いました。(^^;

 さあ、出発です。(^-^)/

(*)2006年当時は絶版でしたが、2009年に新訳本『ソングライン』(北田 絵里子 訳) が出版されました。
☆TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年4月23日より転載

原書『SONGLINE』(ソングライン、ブルース・チャトウィン著)でマンツーマン英会話~アボリジニに伝わるその土地の物語

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51pRp8Az1xL._SX316_BO1,204,203,200_ ふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。

 彼らがどう死んでいったのかというエピソードは、彼らがどう生きていたのかという興味に変わり、彼らが愛した場所を訪ね、彼らが旅をした風景を見て、彼らの息遣いに自分自身の呼吸を重ね合わせ、彼らの心を感じてみたくなるのです。この世に遺して行っていった彼らの想いがそうさせているのかもしれない、とさえ思うことがあります。

 そして、僕は今ブルース・チャトウインという人に出会ってしまったのです。

 僕は彼の遺作である『The Songlines』を、原書(翻訳本は絶版)(*)で読んでいくことにしました。 日本語訳をサポートしてくれるのは、ETC英会話カーラ先生

 他界する二年前に、ブルースが旅したオーストラリア。彼が『Songlines』に書き残してくれた足跡を、僕が辿って行く。 その過程をここに書き溜めて行きます。

■『ソングライン』第21章~「長老、話してくれないか。この場所にはどんな物語があるんだい?」

 『ソングライン』の21章。いよいよ、一緒に旅をしていたオーストラリアの先住民アボリジニが、ブルースのために初めて歌います。ブルースはアボリジニ伝わるソングラインの意味をより深く理解し始めます。

 この章は、他の章以上に本当に美しいのです。たった一つの単語、たった一文で、その時の人の心のありようが伝わってきます。

 カーラ先生(英語個人レッスンの先生)も共感。

 「表現がとても豊富で奥深いのよね。どうしてこんな文章を書けるのか、
  ジェラシーさえ感じるわ。」(カーラ先生)

 この章は、アボリジニのソングラインを理解するのに、とても重要な章だと思うので、しばらく、こじっくりと訳して行くことにしますね。(チャットウインのような美しい言葉に近づくように、日本語で置き換えられるかどうかの訓練ですね。)

 We cleared up and went to join the old men’s circle. The firelight lapped their faces. The moon came up. We could just discern the profile of the hill.

 We sat in silence until Arkady, judging the moment, turned to Alan and asked quietly, in English, “So what’s the story of this place, old man?”

 僕たちは後片付けをした後、長老たちの輪の中に加わった。キャンプの炎は皆の顔を照らしていた。月が昇り、丘の輪郭を確認することができた。

 僕たちは黙って座っていた。そのタイミングを待っていたんだ。アルカディはアランの方に身体を向きなおし静かに英語でこう訊ねた。
 
 「長老、話してくれないか。この場所にはどんな物語があるんだい?」

 『The Songlines』(105ページ)

 アルカディ(ロシア人)は、流暢なアボリジニの言葉で彼らとコミュニケーションをすることができます。

 アルカディが、アボリジニに伝わるその土地の物語(歌)について、英語で訊ねたのは、また、そのことをブルースが敢えて(asked in English)とここに書いたのは、アルカディが、これから始まる彼らの儀式を、ブルースも理解できるように、そして、そのアルカディの心遣いをブルースが確かに感じたからですね。

 アルカディとブルースの間に信頼と共感が生まれ、互いに心が通じあい始めたのを感じます。



(*)2006年当時は絶版でしたが、2009年に新訳本『ソングライン』(北田 絵里子 訳) が出版されました。
(*)TokyoPros.ブログ『The Songlines/ソングライン』を旅する』2006年1月27日より転載