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  • 『The Wind That Shakes the Barley』(麦の穂をゆらす風)でアイルランドの歴史を学ぶ

     

    ETCマンツーマン英会話 ETC英会話のレッスンで様々な国籍の先生に出会うと、レッスンが進むのにつれて、先生ご自身のこと、そして先生が生まれた国についても興味が湧いてきます。

     ところが、いざある国の歴史を学ぼうとすると、如何に難しいのかということも分かってきます。おそらくそれは、歴史の中に身をおいた人々の沢山の目線があるからなのかもしれません。国を治めるものの目線、一般市民の目線、その国を侵略をしようとした外国政府の目線、兵士の目線、男性の目線、女性の目線。どの目線を通して歴史を見るのかによって、全く異なった姿が見えてくるからなのかもしれません。

     映画『The Wind That Shakes the Barley』(麦の穂をゆらす風)が描くのは1920年のアイルランド。タイトルの"The Wind That Shakes the Barley"は、アイルランドの詩人Robert Dwyer Joyce (ロバート・ドワイヤー・ジョイス)の作品から取ったもの。1798年のアイルランド反乱に身を投じた不運な若者を歌っています。

     反乱軍は行軍の際は常に麦を捕食用としてポケットに入れていたとのこと。命を落とした沢山の同士は墓標も無いまま大地に穴を掘って埋められた。その大地からは生まれ育った麦。つまり、麦は世代を超えて受け継がれる反乱軍のそのものを象徴していたそうです。悪名高き英国治安部隊「ブラック&タン」によって命を奪われた友人を弔う場でも、この歌が歌われています。

    The old for her the new
    That made me think of Ireland dearly
    While the soft wind blew down the glade
    And shook the golden barley

    T'was hard, the woeful words to frame
    To break the ties that bound us
    And harder still to bear the shame
    Of foreign chains around us

    And so I said the mountain glen
    I'll meet at morning early
    And I'll join the bold united men
    While soft winds shook the barley

    古き愛は恋人に
    新しき愛は祖国アイルランドに
    柔らかな風が谷間に吹き渡り
    黄金色の麦の穂をゆらした

    2人の絆を断ち切る言葉は
    辛くて口に出せないが
    それよりもなお辛いのは
    異国の鎖に縛られる屈辱

    それで私は言う 山の谷間へ
    夜明けに仲間を求めて行こう
    柔らかな風が谷間に吹き渡り
    黄金色の麦の穂をゆらした

     アイルランド独立戦争後、1921年の英愛条約締結によりアイルランド自由国(後のアイルランド共和国)が成立します。しかしその内容は、関税、課税、経済政策の自由が保障される一方で、自由国は自治領として大英帝国にとどまり、自由国の国会議員は英国王に忠誠を誓う。そして、北部6州は北アイルランドとして連合王国の一部となるとういものでした。

     この条約は、賛成派と反対派に、共に独立戦争を戦った義勇軍を二分することになります。一部はアイルランド国防軍に加わり、一部は同条約に反対し非正規軍として。それまでの仲間が、今度は敵味方として戦ってゆくことになるのです。

     英国からの完全な独立を目指す反対派のDan(ダン)は次のように言います。

    If we ratify this treaty, all we're changing is the accents of the powerful and the color of the flag.

    もしこの条約を批准すれば、変わるのはただ権力者の言葉の訛りと国旗の色だけだ。

     これはイースター蜂起でDanが共に戦ったとする社会主義者James Connolly(ジェームス・コノリー)の言葉に影響を受けたものだと言うことが分かります。

     "If you remove the English army tomorrow and hoist the green flag over Dublin Castle, unless you set about the organization of the Socialist Republic your efforts would be in vain. "
    (諸君がたとえ明日イギリス箪を一掃し、ダブリン城に緑旗をかかげたとしても、社会主義共和国の組織化を開始せぬ隈り、諸君の努カは無に帰すであろう。)

     では、イースター蜂起とはどのような戦いだったのでしょうか。英愛条約締結の交渉に当たったMichael Collins (マイケル・コリンズ) とはどのような人なのでしょうか。次は映画『Michael Collins 』のご紹介です。

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