ツイート“大炎上”は英語で? 「イチローは英語を学ぶべきだ」!?

 8月7日のロッキーズ戦で、イチロー選手はついにメジャー通算3千本安打の偉業を達成しました。

 これに対して、問題発言をしたのが、ESPNの番組『SportsCenter』でアンカーを務める Todd Grisham(トッド・グリシャム)氏でした。8月7日、イチロー選手の記者会見後、Twitterに次のような投稿をしたのです。

“As impressive as Ichiro’s 3,000 hits are, his unwillingness to learn English after 15 years in America amazes me more.” (イチローの3000本安打には感銘を受けたが、15年もアメリカにいて英語を学ぶ意志がないことにはもっと驚かされた)

 Grisham氏のこの発言は非難の的となり、ツイッターは大炎上。「この15年間で一体何人のスポーツ記者が、イチロー選手の母国語を学ぼうとしただろうか」という意見から、「そもそも、イチローが流暢な英語を話すことは、彼のファンでなくても知っている事実」という指摘まで。

 結局、Grisham氏は謝罪した後、この発言を削除することとなりました。

 さて、ツイッターの発言に対して、非難する意見などが多数書き込まれ続けることを「ツイッターが炎上する」と言います。これは英語ではなんというのでしょうか?

 この件を報じたNew York Daily Newsは、”bombard”という単語を使っていました。”bombard”には「(継続的に)砲撃を加える」のほかに、「人に( 質問・批判などを)浴びせる」という意味があります。

 以下は、それに該当する英文です。

“Grisham was promptly called out for his uninformed statement, and eventually offered an appology after being “bombarded” by Twitter users.”

 このGrisham氏に対して非難の声を上げ、イチロー選手の英語力のレベルの高さを訴えたのは、『New York Daily News』誌のEbenezer Samuel(エベニーザー・サミュエル)記者でした。

 例えば、スポーツキャスターであるBob Costas(ボブ・コスタス)氏のテレビ取材の中で、イチロー選手がお下品なジョークも交えながら、英語で受け 答えしている姿は、YouTube動画でも確認することができます。

Bob Costas: “What is your favorite american expression” (アメリカ人の表現で、お気に入りの言い回しはありますか?)

イチロー選手: “August in Kansas City, it’s hotter than two rats in a f–king wool sock. That’s my favorite. I have a bad teammate.” (カンサス市の8月は、ウールの靴下にねずみを2匹入れているよりもクソ暑い。 これが私のお気に入りです。私のチームメートには(こんな下品な言い回しをする)悪い奴がいるんです)

Bob Costasによるインタビュー動画

https://youtu.be/GtImIqR5neU

 また、マリナーズ在籍中に出演したテレビCMで、大リーガーたちも仰天するような天才的な遠投を行った後に、流暢な英語で決め台詞を言っています。

イチロー選手出演のマリナーズCM、メイキング映像

https://youtu.be/YXHfxMbcS8w

 実際に、3千本安打を達成した際の記者会見を確認してみると、記者達の英語の質問に対して、イチロー選手はほとんど通訳を介さず、日本語で即答していることが分かります。これもイチロー選手の英語力の高さを示す証拠の1つだと言えるのではないでしょうか。

 他方、イチロー選手が通訳を介して発言するのは、細かいニュアンスにおいて誤解が生じないようにするためだそうです。先の会見の動画からも、要所要所で通訳に確認を求めていることがわかります。

Miami Marlins OF Ichiro Suzuki reaches 3,000 hits — full press conference

https://youtu.be/FXo8-RmZ0Y0

 また、印象に残ったのは、イチロー選手の右隣にいる専属通訳のAlan Tuner(アレン・ターナー)氏です。

 Tuner氏は、父がアメリカ人で母が日本人のハーフ。幼少期を日本で過ごしたために10歳までは英語が話せなかったとのこと。渡米してから英語を集中的に学んだそうです。

 Tuner氏が最初に野球選手の通訳を行ったのは2000年、当時マリナーズに在籍していた佐々木主浩選手でした。その後2001年から、同球団に所属していたイチロー選手の通訳も行うようになりました。

 ところで、Tuner氏が行ったのは通訳だけではありませんでした。2001年当時、メジャーリーグでは通訳がグランドに出ることが禁止されていました。そのため、球団側は高校野球の経験もあるTuner氏にユニフォームを着せて、プルペン捕手としても起用。そうすることで、Tuner氏がグランドに立てるようにししてまったそうです。

 それから15年、イチロー氏が球団を変わるたびに、Tuner氏もその家族と共に引越しをし、現在でも彼の通訳を続けているそうです。

 イチローがジョークを言うと、その意味を深く理解して英訳、アメリカ人の記者団の笑いをとっているTuner氏の通訳にも、ぜひ注目をしてみてください。

(*)関連リンク

ESPN personality mocks Ichiro for ‘unwillingness to learn English’

ESPN anchor Todd Grisham shows sad arrogance in tweet about Ichiro Suzuki

イチローの通訳、Allen Turnerについての記事

Todd Grisham氏ツイッター

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