映画『O Brother, Where Art Thou?』(オー・ブラザー!)で南部アメリカ英語マンツーマンレッスン

O Brother, Where Art Thou? ETCマンツーマン英会話 アメリカ南部社会においてキリストの最大宗派として影響力を持っているのは、バプティスト派だそうです。

 宗派名の由来でもある「全身浸礼」はバプテスト派にとっては重要な伝統。まず水は、湖、河川のような自然の状態にある水であること。次に、伝道師と助手は服の上に白いロープを着用して、受洗者とともに水の中に立つ。それから受洗者の鼻をつまんで、仰向けに水の中に完全に沈めます。このときがこの世との決別、すなわち「死」を象徴する瞬間。「人は、新たに生まれなければ神の国を見ることができない」という聖書の言葉の実践だそうです。

 1930年代の南部を描いた映画『O Brother, Where Art Thou?』にこの浸礼の場面が登場します。パーチマン刑務所から脱出した三人組みのうちまず一人が浸礼を受け「罪が浄められた!」と喜びます。
 ときは大恐慌期のミシシッピ州。ローズベルト大統領のニューディール政策で作られたダムのひとつができあがり、主人公エヴェレットの家がまもなく水底に沈もうとしています。

https://youtu.be/2qw6Hon013E

 次のシーンでは、南部英語の特徴的な表現、”fixing to” が使われています。通常”fix”は「固定する」、「修理する」という意味で使われますが、南部アメリカ英語では、”about to do“、「今にも〈…し〉かけていて, 〈まさに…せんとして〉」という独特の意味で使われることがあります。

  He was fixin’ to betray us.
  彼は俺たちを裏切ろうとした。

また、reckonも南部でしばしば使われる表現で、”guess“や”think“と同じ意味を持ちます。

 I reckon it’ll fetch us enough for a good auto voiture and a little leftover besides.
 それを売れば十分いい車が買えて、少々お釣りもでるだろう。

Well, didn’t look like a one-horse town,
まったく、ここはどうしようもない田舎だ

but try finding a decent hair jelly.
なんとか整髪料を手に入れないと

Gopher, Everett? 
ホリネズミ、たべるかい、エヴェレット?

No transmission belt for two weeks.
トランスミッションベルトに2週間も待たなきゃいけないなんて

Huh? They dam that river on the 21st.
ダムの完成は21日だ。

Today is the 17th. 
今日は17日だぞ

Don’t I know it.
そうさ。

We got but four days to get to that treasure. After that, it’ll be at the bottom of a lake.
4日以内に行かないと、お宝は湖の底に沈む

We won’t make it walkin’.
車が要るぞ

Right… – Gopher?
そうだな。ホリネズミ、食べるか?

But the old tactician’s got a plan.
俺に計画がある。

For the transportation, not keeping my coiffure in order.
車は何とかなる。問題はヘアの乱れをどうするか。

How’s this a plan? How we gonna get a car?
どんな計画だ?車をどう手に入れる

Sell that. I figure you can only have painful association for Wash.
それを売れ。つらい思い出の品さ

“To Washington Bartholomew Hogwallop, from his lovin’ Cora.”"Amor fidel… is.” 
“ウォッシュ・ベーソミュー・ホグワロップへ”"妻より”愛をこめて

It was in his bureau,
タンスにあった。

reckon it’ll fetch us enough for a good auto voiture and a little leftover besides.
それを売れば十分いい車が買えて、少々お釣りもでるだろう。

Whoo! You got light fingers, Everett.
抜け目がないな

Gopher? 
ホリネズミ、食わないの?

You miserable little snake.
この薄汚いコソ泥

You stole from my kin!
お前は俺の親戚から盗んだな

Who was fixin’ to betray us.
俺たちを裏切ろうと親戚な

You didn’t know that at the time.
盗んだときは、知らなかったろう

So I borrowed it till I did know.
最初は借りただけ

That don’t make no sense!
理屈に合わねえ

A fool seeks logic in the chambers of the heart.
人間に論理性なんか求めるな

What the hell is that singing?
あの歌は?

Appears to be some kind of a… congregation.
どこかの宗派の信徒たちのようだな

(*)参考図書
ロックを生んだアメリカ南部 ルーツミュージックの文化的背景』(ジェームズ・M・バーダマン、村田薫 共著)

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